涼しい日陰で休むこと5日、バニラのキュアリングを始めます。
第1工程は「風呂」。
莢が成熟して裂けてしまうのを防ぐために、まずは熱~い風呂に入ってもらいます。これによって莢の生育を止めます。
外見は似ていますが、インゲンマメを茹でるのとは訳が違います。大鍋にたっぷりの湯を沸かし、温度計で65℃に保ちます。
バニラを計量してネットに入れ、準備完了!バニラを投入しても水温が下がらないくらい、十分な水量を確保することが肝心。
バニラを投入したら絶え間なくお湯を混ぜ、莢を均等に加熱します。細かく追い焚きを調節して3分間、65℃を維持します。
3分後、ネットを取り出して水を切り、タオルの上に広げて更に水をとります。ある程度乾いたら、黒い綿布の上に広げます。
教科書的には、このまま次の工程に行くのですが、ちょっとカビが心配なので、ここで布ごと外に出して強い日射しにあてます。
ここから第2工程の「サウナ」。
莢の表面を輻射温度計で計測、45℃以上になってから1時間待ち、日光で充分温まった黒い綿布ごと手早くくるみます。
それを断熱効果のある登山用シュラフ(mount bell製)に入れ、プラスチックの箱に入れ、さらにウールの毛布でくるみます。
こうして2日間、サウナ状態でゆっくり休んでもらいます。そこはかとなく、あの魅力的な香りの兆しが漂い始めています。